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幅な黒字転換(対GDP比3.8%)を見込んでいる。
(2) 最近の経済動向
(イ) 北海油田の石油生産が、現在は日産270万バーレル程度となっており(輸出量は世界第2位)、95年ではGDPの13.0%を石油・天然ガス開発が占めている。政府は石油依存の経済体質からの脱却を図りたいとしているが、この傾向は当分続くものとみられている。
(ロ) 貿易は、輸出が2,643億NOK、輸入が2,069億NOKと、GDPのそれぞれ40%、33%となっており、貿易に対する依存度は高い。現在、ノルウェーは貿易分野では輸出の4分の3強、輸入では4分の3弱をEU諸国が占めており、経済的にはEUとの結び付きが強い。
主要輸出品目は、石油、ニッケル・フェロアロイ等の非鉄金属、サーモン・鯖・エビ等の水産物、主要輸入品目は、電子機械、化学製品、自動車等となっているが、石油・天然ガスが輸出の約50%に達しており、貿易収支は574億NOK黒字(95年)となっている。
(ニ) 捕鯨は、93年夏より商業捕鯨を再開し、96年についても実施された。今後とも捕鯨の正当性につき国際的にPRしていく方針をとっている。
4 我が国との関係
(1) 両国関係は、従来経済関係が中心であったが、最近では政治面での協力が進展してきている。具体的には両国の共通関心事項であるロシア、国連改革、軍縮・核不拡散、中東和平、旧ユーゴ、PK0、環境、開発援助、捕鯨等の分野で協力、政治対話が行われている。
(2) 経済分野では、対日輸出の促進を目的としてプロジェクトが実施され、とくに鯖をはじめ水産物の輸出が急増している。日本への主要輸出品目は水産物及びその加工品、化学製品、非鉄金属、日本からの主要輸入品目は船舶、自動車、電気機械等となっている。
(3) 文化交流では、95年にソニア王妃国際音楽コンクール(声楽)で日本人の天羽明恵氏が優勝した。日本文化紹介では、塩月弥栄子氏による「茶道パフォーマンス」、卜ロムソでの「日本人形展」、96年にはオスロでの「鮫島由美子コンサート」、近年美術を中心とした「今日の日本展」などが実施されている。
また、ノルウェー側も長野オリンピックに向けて97年、98年を対日ノルウェー文化紹介の年として位置づけ「ムンク展」等を計画している。
(4) 在留邦人数は、95年10月現在517名である。

 

 

 

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